THE 遠距離恋愛
アルバイト先の本屋で、
客としてやってきた男性との
運命的な出会い。
「あるか!(心の声)」
男はアメリカ。女は日本。
二人は、すぐに離れ離れになる。
「舞台は整った!(心の声)」
二度しか会ったことがないのに、
二人はお互いが恋しくて恋しくてたまらない。
「始まったよ!遠距離恋愛(心の声)」
しばらくは、メールと電話のやりとりで
連絡を取り合うも、二人の行き違いが
重なったり、他の女の影が現れたり。
「待ってました!はらはらする展開(心の声)」
二人は別れることになる。
「結ばれないのが、遠距離恋愛の常!(心の声)」
そして、時はたち、十二年後、
あの時届けられなかった手紙を偶然読むことになり、
真実が明かされる。
「きたーーーーー!」
・・・まさに、全てが、遠距離恋愛の王道ともいえる、
おあつらえ向きな展開だ。
でも、どうしてだろう?
早く続きが読みたくて、どんどんページを繰っている
自分がいた。
「愛はたわいない会話と、つないだ手のぬくもりの中にあるの。
(中略)だから、愛は狂おしくないの。だから、愛はせつなくはないの」
という一説も印象的。
表現とか、文体とかを全く気にせずに、
これだけ「物語」に引き込ませてくれた小説は
久しぶりだった。